『ひと呼んでミツコ』新沼 研(まなぶ)さんのひみつ・・・ MITSOUKO、ゲランの名高い香水。日本人女性をイメージして作られたという、その神秘的で官能的な匂いを嫌う日本男性は、意外なことに、多い。−−−「くさい」。「こりゃ昔の床屋の匂いだよ」・・・【スパイシィ、でオリエンタル】な香水は西洋の乾いた空気でしかエキゾティックに匂わないのかもしれぬ。
なぜか。
『ひと呼んでミツコ』はコメディだし楽しいデートの記述もある。『ドールハウス』、『喪失記』は”私小説”寄りだという作品の雰囲気の相違もありましょう。
<完成原稿となるまでには結構な年月がかかりました。・・・(中略)・・・ さらに次々と文中のくだりがなぜか現実になってゆき、そのほとんどは些細なことでしたが、中には些細でないこともあり、担当の鈴木さんから「作者が登場人物のあとを追うという、希有なる逆私小説」と励まされたものの心中複雑でした。>これである。 「中には些細でないこともあり」が江木でありプール監視員だったんである(きっぱり)。”プール監視員”、”江木”は著者の現実の経験を反映した人物であり、新沼さんを書いたときは純粋な創作だったんであるまいか。 ううむむむ。
以上。異論があれば受けてたつぞッ ・・・(笑) (by はやしなつせ 13.07.27)
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