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ここ1、2年でおもしろかった日本映画 ─── 
                                      (00/10/06)
                    姫野カオルコ
 

  1)裸足のピクニック
  2)ひみつの花園
  3)バウンスkoGALS
  4)おこられ侍(テレビですが……)<『サタ☆スマ』
 
 


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●『バウンスkoGALS』 ポニー・キャニオン(だったはず)
              原田眞人監督
 どうせ『トパー○』『ラ○&ポッ○』みたいに(映画のほう)、てっとりば
やく大衆の好奇を計算して、それにちょっとばかり意味づけをしたような作り
だろうと思って見たら、大違い。『桜の園』『キッズ・リターン』の側にある
映画だ。三者ともテンポ、テイスト、タッチがまったくちがうが、青春の普遍
性が描かれているという点で。『バウンス……』は、普遍的な青春のリリシズ
ムを描出してかつ、現代社会を的確に切り取り、新鮮なノリの演出で見せる。
 脇をかためる役所浩司も桃井かおりも、手堅く適切な助演。とくに役所はこ
の映画で新境地開眼したといってもよい。
 また主役三人のうち、まじめな高校生リサ役の少女は、『ひと呼んでミツ 
コ』がもし映画化されたら、この子しかない。

●『裸足のピクニック』 ぴあビデオ(?)/矢口靖史(しのぶ)監督
 今までにない新鮮な演出とタッチで見せる矢口監督作品の三部作『裸足のピ
クニック』『ひみつの花園』『アドレナリンドライブ』のうちでは、やっぱり
『裸足のピクニック』が一番だと思う。
 ピクニック→ひみつ→アドレナリンとすすむにしたがって、観客対象をメジ
ャーにひろげていっているぶん、わかりやすいといえばわかりやすいが、刺激
に欠けるといえば欠けるから。
『裸足のピクニック』の筋を要約するのは難しいが……、おばあさんのお骨を
持って歩いていたところ、清掃車にぶつかりそうになってお骨を落とし、落と
したひょうしに清掃されちゃった少女が困って、他人のお葬式にもぐりこみ、
他人のお骨をとって帰途するまでの道のりを描いた話、とでもいえばいいか。。
 次々と襲いかかる不運の話といってもよいが、同時に本人自身が、本人の気
づかぬかぬうちにトラブルメーカーになっているのである。おもしろい映画で
ある。

 『ひみつの花園』は、飯島露子のようなOLが主人公。
飯島露子は4コマのキャラ。1983年ごろ、『天才くらぶ』という4コマ漫
画誌があった。すごくおもしろかったんだが、たしか、これに飯島露子という
シリーズがあった。だれが描いてたのか、残念ながら失念してしまった。で、
飯島露子が映画になったような話が『ひみつの花園』である。主演は西田尚美。
このあと『ナビィの恋』でも好演している。

 『アドレナリンドライブ』は、『裸足のピクニック』の少女が少年になったか
んじのつくり。だが、使い回しにならず、「ああ、これ、これ、このタッチ」
とファンをたのしませてくれたところが矢口監督の手腕。
 ただ、主演が石田ひかりでなかったらもっともっとおもしろくできあがった
と思う。べつに石田ひかりが悪いわけでも嫌っているわけでもない。しかし 
「さいしょサエなかったが、変身して美人になる」というストーリーでは、石
田はすでにみんなが「よく知っている」ためにおもしろみがなくなる。
同主演の安藤君は、あいかわらず気の弱いかわいい持ち味を生かされていた。
包帯をたどって見つけられるところが秀逸。
 ところで。
 以下は映画からそれた余談。
 ある日、ある編集者(蕎麦屋の恋の担当者)と雑談をしていた。私が「安藤
政信くん、かわいいね」と言ったら、「ええーっ! 姫野さんでも安藤くんが
かわいいって、わかるんですか!!」とすごく大きな声で驚かれたのは心外だ
った。「なんでよー、失礼なー」と言ったら、「だって、オール巨人とか、ア
ニマル・レスリーとか、へんな人ばかりすてきだって言うから…」。
 ……。私は長く、自分のことを「面食い」と思っていた。今でも思っている。
アラン・ドロン、ジュリアン・サンズ、『ツインピークス』のときのカイル・
マクラクラン、『トップガン』『インタビューウィズバンパイア』のときのト
ム・クルーズ、『沖田総司』のときの草苅正雄、などが好きである。決してブ
ッタマゲタ趣味ではないと思うが。
 ただ現代の映画界、芸能界では、ストレートなハンサムというか二枚目が人
気出ない風潮があるから、好きな芸能人の話をすると面食いでないように思わ
れるのかもしれない。
 それにしても「チャンバラトリオ」の、いつも主役やる人は好きだ。あぶら
っぽい。奥さん(吉本新喜劇では、かつては美人の役所をしていた)もあぶら
っぽい。ライブを見に行ったが、やっぱりあぶらっぽい。おかしい。やはり、
お笑いは「チャンバラトリオ」と「大川興業」につきると思う。笑いのN極と
S極。ほかはこの2極から派生したバリエーションと区分してゆける。

●『怒られ侍』
 映画でもドラマでもないんですが……。
 香取慎吾が『サタ☆スマ』でやる、怒られ侍を、はじめて見たとき、
「こんなにおもしろいテレビがあるのか」と思ったの……。
 テレビって、ほとんど見ないので、長いあいだ知らなかった。
 近所の、純文学寿司屋のおかみさんと道で会い、「家に遊びにおいでよ」と
言われて行ったとき、おかみさん宅で見た。M医師のように泊まりはしなかっ
たが、以後、よくsmapの番組は見るようになった。制作スタッフががんば
ってると思う。うまく作られてる。smapだから金も捻出しやすいのかな。
 感心するのは、smapの子たちは、なんでもできるんだなーと。
歌も踊りも芝居もコントも、料理も洗濯も子守も掃除もできるんだなー、と思
ってたら粘土までうまい。剣道もする。バスケットボールも跳び箱も。ほんと
に、なんでもできる。

 意外なそっくりさんを見つけるのがうまい、顔評論家としても高名な、イラ
ストレーターのみなみしんぼうさんから、以前、「姫野さんってキムタクに似
てるよね」と言われたことがある。そのせいか、私はどうもキムタクという人
をセクシーとかすてきとか、そういうふうに見られず、なんかこう、法事とか
親戚のよりあいとか、そういうときの雰囲気で見てしまう。
「竹塚歌劇団」は「おこられ侍」とならんでおもしろい。キムタクという人を
はじめて知ったとき、私は宝塚顔だと思ったんだが、やはりそのせいか彼の宝
塚メイクはまるで違和感がないのが笑える。違和感がないのがすごくおかしい。
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                         (END)
 

 

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